書き換わりゆく情報
夕べおかしな夢を見た
道を歩いていると
豹が物陰から急に現れて
私を睨む
豹は
怯える私にゆっくり近づいてきた
そして
不思議なことに
その姿を雌ライオンに変えていった
雌ライオンは
私のすぐ傍らにまで寄ってきて
私の手に鼻をあて
匂いをかいでいる
私は
ライオンを刺激しないように
ゆっくりと後ずさりする
すると
それに歩調を合わせて
ライオンもついてくる
ここで目が覚めた
危害を及ぼしそうな生き物とは
距離を置きたい
蛇や熊、狼も
遠くに追いやりたい
拳銃を持っていれば
夢の中のライオンも
遥か彼方に追いやることもできるのだろう
*
アマゾンで
センザンコウが
アフリカでは
ゾウが
密猟されている
そして
その皮革や牙などが
高価で取引されている
彼らも
武器を必要としている
生き延びるために
武器を必要としていている
もしくは
守られる権利が必要だ
*
武器を持つものがいる時
武器を持たぬものは
どうすれば
その場を逃れることができるだろうか?
アメリカでは
銃撃事件があると
保身のために拳銃の売り上げが伸びるという
新しい兵器が開発されると
他の国も
それを超える武器の開発に
力が入る
新しい技術の情報が
次の時代を開いてゆく
のんびりとしていると置いてゆかれてしまう
進化の競争が
技術革新の情報世界で展開してゆく
遺伝子の情報の書き換えはゆっくりだけれど
人間の情報の書き換えはすばやく
進化も急激だ
AI情報の進化はもっともっと早いのだろう
どんどん
忙しくなってゆく
身体は昔のまま
それを支配しようとする情報ばかりが
高度になってゆく
身体が疲れ
情報から自由になろうともがいている
情報への依存性が
精神や身体を通じて強化されてゆく
離れるためには
強力な武器が必要だ
情報から自由になる権利が必要だ
*
情報が武器になる
知れらたくない過去が
近づいてくる
その過去が
様々な要求に姿を変えながら
迫ってくる
刺激をしないように
後ずさりすると
情報も歩調を合わせてついてくる
夢はさめれば消えるのだけれど
記録された情報はなかなか消せない
過去を消す権利が必要だ
過去の情報と対峙する勇気が求められる
*
美しい過去の情報に囲まれて
美しい未来を作りたい
それには
情報から自由になれる権利が必要だ
情報を書き換える権限が必要だ
政治や法律が
この権限を規定する
情報には
秘匿と監視が求められる
強い方が
弱い方へ近づくと
弱い方は
後ずさりしてゆくことになるのだろう