ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

知と欲で無為自然からの乖離


「あるがままでありたい」
この思いを実現するために
何もしなくてもいいわけではなく
実に様々な努力を重ねなければ
あるがままではいられない


食べなければ死んでしまうし
動き続けなければ萎んでしまい
覚え続けなければ忘れてしまう


このような営みに手を貸せば
手を貸し続けなければ
そのあるがままを維持できない


文明は
様々な疫病を乗り越えてきた


あるがままでいるだけでは
乗り越えられない禍をたくさん増えた


たとえば
薬やワクチン


薬やワクチンががない世界で
どれほどの人間が生き延びられよう


私は
生き延びられる部類に属せるだろうか?


ワクチンがあると聞けば
ワクチンが欲しくなる


この生き延びるための知識と
生き延びたい欲の関係の狭間で
私は生存を模索する


最小限の文明の利器で
「ああるがまま」を維持したい


そんなふうに生き延びることができる強靭な体が
本当は欲しい


しかし
現実として私自身は弱い存在だ


この弱さを知る能力が
生き延びた意欲と相まって
純粋な「あるがまま」を否定して
文明の利器に傾倒してゆく


知が知を呼び
わたしは
「あるがまま」から遊離してゆく


逆戻りはできない
ワクチンも
抗生物質も
原爆もなくならないだろう


しかし
いくつになっても
無邪気な子供に戻りたい時がある
日向で寝転ぶ猫をになりたい時がある


「あるがまま」で生きられたら
どんなに幸せなことだろう

×

非ログインユーザーとして返信する