雨が降ると
川が流れ
獣が歩けば
けもの道が出来上がる

人の道も
先人たちの歩みにより
踏み固められているのだろう

踏み固められたその道を
列になって黙々と歩く

その道から外れると
「大変なことになる」と教わり
その道から外れると
「大変なことになる」と
後ろの人に言い聞かせながら
前の人の後姿を追いながら
黙々と歩く

同じ景色が繰り返される平穏に
創られた平和が描かれる

この平和に飽きて
辟易すると旅に出たくなる

そして
旅先で
いつもとは違う人の道に出会い
驚きながら
戸惑いながら
それを愉しむ

身体の中にも
血液やらリンパ液やら
たくさんの流れがあり
わずかな歪みがあると
それを見逃さず
その流れを変えている

両手を上にあげて身体を伸ばすと
何かが新しくなり
少しすっきりする

歪みが取れ
流れが変わるのだろう

体液も
いつもとは違うところを流れてみたい
そう願っているのかもしれない

黙々と
いつもと同じ道を歩くばかりでは
何処かつまらない

歪めば
歪みっぱなしである

人の道を踏み外さぬ程度に
すこし違うところを歩いてみたくなる
身体も
精神も