ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

共存、そして忍耐と諦観


人間には共存の思想があり
他の生き物と共に生きようとする性質がある


猫や犬と暮らしたり
庭に草木を植える


そうした動物や植物を守るため
人間の仲間の生き物を害する生き物を駆除したりする


こうした暮らしの中で
いい生き物と
悪い生き物が区別されている


いいものと悪いものを区別して
悪いものを排除し
いいものを残しながら生きる
このような生存戦略は
なにも人間だけがしていることではない


植物も
毒を貯えて
他の生物の食べ物にならないようにしている
反面
受粉を促してくれる生き物には
甘いにおいで誘い花粉を提供したりする


善と悪の区別の源流は
こんな生命力と知覚されるところにあり
生存環境を整える行動を
言語で正当化してきた成果物として
道徳があるのだろう


成文化されてはいないのだけれど
植物にも
それぞれの植物の道徳があり
昆虫には
それぞれの昆虫の道徳があり
魚にも
それぞれの魚の道徳があり
それぞれに懸命に
生きる道を模索し続けている


人間には
これらの生き物の道徳を理解しようとする能力があり
それを助ける能力も
それを妨げる能力も持っている


人間の共存は
人間同士の間で何よりも活発だ


だから
人間は他の社会に暮らす人々の持つ道徳を
理解する能力があり
それを助ける能力も
それを妨げる能力も持っている


それに
自分が他人から
助けてもらうためになすべきことを
知覚する能力も持っている


科学が発達して
知識が増えてきた結果
自然という未知を畏れ敬う文化が廃れてきた


善悪も科学的に洗練され
客観的な価値観に
主観は付き従うべきであるという道徳が
人間社会を支配している


個々人の持つ自由で
時に突飛に映る主観は
客観的な知識に縛られ
抑圧されるようになってきた


そんなかわいそうな主観に対して
忍耐と諦観を授ける遺伝子が
これからも共存の道を切り拓いてゆくだろう


気に食わないことがあると
それをすべて否定していては
共存はままならない


良いところを活かしつつ
悪いところを許容しなければ
共存はうまく育たない

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