ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

生きるということ


私は
次から次へと
日々を消費している


時間を迎え
次から次へと
時間を消してゆく


私には
時間を迎え
それを消してゆく能力があるらしい


空気や食べものばかりではなく
時間も食らいながら生きている


どうせなから
おいしい時間を食らいたい


そのためにもがいている


網戸の隙間に入り込んでしまったハエも
必死にもがいている


ハエは翅を震わせながら必死で動き回るけれど
その隙間からは出ることはできず
強い日差しの中で
やがて干からびてゆくだろう


ハエの羽音が時間を刻んでいる


震えるような小刻みな羽音が
急ぎ足で時間を刻んでいる


時間がある限りもがき続ける


あきらめなければ
もがき続けられるのだが
いつしか諦めてしまうのだろう


逆に言えば
諦めなければ
時間を食らうことができる間中
必死でもがき続けることもできだろう


私は時間を浪費しているのかもしれない


憧ればかりではなく義務を背負い
時間を消費している


時間を無駄にしておらぬだろうか?


無駄を愉しむために
時間を追い求めてはおらぬだろうか?


やりたいことが沢山沸き上がり
それを時間の中へと懸命に送り込む


消えてゆく時間のなかへ
ジェット噴射のように何かを懸命に送り込み
私は消えてゆく時間から
必死に逃げつづけているのだろう


私は私の意識ばかりでできていない
勝手に動き続けている心臓や肺と共に生きている
内臓も無意識というやつも共に生きている
私の意識の独断で私は生きられない


私の意識は独裁者になり違うのだけれど
それは間違いだ


共に生きている仲間とともに
私は消えてゆく時間から
懸命に逃げ続けているのだろう

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