ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

虚飾の衣


「哲学は神学の婢」という言葉がある


主義主張というものは
知的な虚飾であり
人間が
野蛮な動物ではなく
品格ある動物であるためにまとう服だ


民族衣装がそうであるように
場所により
異なる知的虚飾の宴が催され
それらが系譜としてそれぞれ承継されている


時代によって
服も思想も流行を変遷させてきた
幾重にも
思想を着込みたくなる時もあれば
「人間の開放だ」と言いながら
着込んだ衣を脱ぎ捨てたくなる時もある


季節のリズムもあるのだろうし
日中と夜では着たくなる思想が違ってきたりする


お気軽に羽織ってはすぐに脱ぎ捨ててもよい思想もあれば
重厚で着るにも脱ぐにも時間がかかる思想もあるのだろう


それぞれに
人間の醜い部分を覆い隠すためのものなのだから
うまく使わなければ無駄になる


着るべき衣を間違えれば
かえって逆効果な時も出てくる


あばたを隠すつもりで
あばたを目立たせてしまえば
宗教改革を断行したルターのような不敬な者に
虚飾の宴をひっかきまわされて
着ている頃をも台無しにされてしまいかねないから
虚飾の衣は上手に着こなさなければ
苦労して虚飾を仕立ててきたご先祖様を裏切ることになる


どんな場面で
どんな衣をまとうのか?


適材適所を導く悟性が試される

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