ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

言葉の下僕


人間は
言葉の下僕に成り下がることができる


むしろ
下僕になるように設計されているのかもしれない


言葉の支配力を高めるため
その言葉の正当性を論証し
それに従うように啓蒙することは
言葉の下僕の大事な仕事だ


朝起きて
その言葉の象徴たる旗を高らかに掲揚し
敬礼を送る


その言葉に忠誠を誓い
この言葉の基に自らを律して今日を生き抜く


その言葉を冒涜する者が現れないか
注意を払い
現れた場合には
同じ言葉に集う仲間を集め
その冒涜者を始末する


その冒涜者が強大な力を持っている場合には
命をなげうつ覚悟で
その強大な敵に立ち向かう


下僕には苦行がつきものだ


身を粉にしても言葉に報じなければならない
骨を折ってでも狭き門に入らなければならない
と教えられる


言葉を信じなければ
仲間を失い
かつて仲間だった者に冒涜者と呼ばれるのだ


たとえ冒涜者となろうとも
その言葉の不実を訴え続け
抗議し続けるプロテスタントも存在する


このプロテスタントとて
その言葉に振り回される生き物だ


なぜなら
言葉の下で
その正しさと不実を競い合うように
人間は設計されているからだ


正実の側につこうが
不実の側につこうが
言葉の下僕が
言葉の下で争いを繰り返すのだ


この争いが
知を磨き
ますます
人間は知の下にひれ伏すことになる


AIは
この流れに拍車をかけてゆくのだろう


時代がどんどん急ぎ足になってゆく


狭い日本
そんなに急いで何処へ行くという標語があった


世界がどんどん狭くなってきた

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