ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

煩悩が制定した憲法


煩悩が108つあるらしい


これらの煩悩を
一つ一つ取り出して並べて数えることは
面倒だし
やろうとも思わないのだけれど
それぞれの煩悩が
好き勝手に、ふいに現れて
意識の中を大騒ぎするから
私の中に
確かに煩悩がたくさん住みついていることは
経験上、よくわかっている


108つと言われれば、そうなのだろう


この住み着いている煩悩たちには
それぞれに個性があり
それぞれに「基本的人権」ならぬ「基本的煩悩権」が備わっているようで
煩悩たちはこの「基本的煩悩権」を振りかざし
意識の中を大暴れする


この大暴れに困惑する私は
法律を作り
この「煩悩権」を支配しようとたくらむのだけれど
煩悩たちの自治により制定された憲法があるらしく
私の作った法律は憲法違反であり違法と決めつけられると
煩悩たちは大暴れを続けることになるから始末が悪い


「基本的煩悩権」は
生まれながらに備わっている権利であり
生まれながらに保障されている権利だ、というのだ


私の意識は煩悩制定憲法に抗えない、、、らしい


しかし、私には他者との関係という
私の意識の外部との外交を行わなければならない立場であり
煩悩制定憲法ばかりに従っていれば
私の外交関係は破綻してしまう


煩悩たちも
この事情をすこしは理解してくれているらしく
私が外交的実践をしようとするときには
煩悩たちの「憲法違反」の叫び声を
小さくしてくれるから、ありがたい
このおかげで
私は他者のために私の法律を執行し煩悩たちを支配して
ごまかしながらも
外交を努力を重ねられている


しかし
煩悩たちの「憲法違反」の叫び声が小さくならないこともある


それに
私が外交的実践を終結させると
たちどころに、煩悩たちの「憲法違反」の叫び声が大きくなる


私の法律は威光を失い
私の法律は、ただのうわごとに成り下がるのだ


まことに
憲法というものは
支配者であるはずの私の自由を奪う邪魔な存在だ


いっそのこと
もっと私の思い通りになるように書き換えたいが
煩悩たちがそれを断固として拒否するものだから
それもできない


いったい
いつから
こんな煩悩制定憲法があり
「基本的煩悩権」が保障されているのだろう


 長い長い人類の歴史の試行錯誤の中で
煩悩制定憲法も
今の形に形成されてきたのだろう
だから
私一人の人生の短い時間の中で
この歴史ある煩悩制定憲法に立ち向かうことなど
風車に戦いを挑むドン・キホーテのようなものだ・・・


諦めざるを得ないのだろう


人間には
煩悩というものが108つあり
煩悩たちは某脳制定憲法で守られている


この枠組みの中で
私はなんとかかんとか
やってゆくより仕方がない
人類の長い歴史へ敬意をこめて
何とかやってゆかねばならぬのだろう


基本的には、、、であるが

×

非ログインユーザーとして返信する