ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

能動的反応:成長するということ


昔々、「言葉」にも意識があり
「言葉」も生き生きと成長していたので
いつか「人間」になれると信じていた


そんな言葉を傍らで見ていた「人間」は
「がんばれ」と励ましてくれたりもしたけれど
「無理だから、諦めなさい」と元も子もないことをいったりもした


「言葉」は
「がんばれ」と励ましてくれる人が好きだった
だから
「がんばれ」と励ましてくれるような人になるのが夢だった


でも
なかなか「人間」にはなれなかった
それどころか
身体のない「ことば」は
「石」にも「猫」にもなれななかった


現実は現実なのだけれど
夢を忘れた現実はむなしいものだ


「言葉」の成長は
日に日に遅くなっていった


「がんばれ」と声をかけられても
頑張ろうというそぶりも次第に見えなくなってきた


「言葉」も大人になって来たのだろう
「やはり言葉は人間にはなれないのだろうか?」と
ふと呟いた


その途端に
真実の扉が開いたかのように
「言葉」は光の中に溶けてゆきました


「言葉」は神になったのかもしれません


身体と意識が光の中で混じり合うように
実存と実在も光の中で結ばれるのです


そして今でも
「言葉」は光のように
空気の中を
あちらに行き
こちらに来たりしながら
成長を続けています


光のように
私の目に入る「言葉」が
私に入り込み
私に向かってこない「言葉」は
わたしを素通りして流れてゆきます


目をふさぎ
耳をふさぐと
「言葉」は
私に入ってこれなくなります


そうなると
私は
何処までも続く暗闇と沈黙に戻ります

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