ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

能動的反応:円環的環境整備


血管の細胞が痛むと
そこから血液が漏れだし
炎症を引き起こし
周囲に壊死をもたらし命にかかわることとなる


このように
血管の細胞は
酸素と栄養を体の隅々に供給する血管網として
縁の下の力持ちの役割を果たしている


血管の細胞は
ほんの一例で
多細胞細胞を構成するすべての細胞は
身体全体のシステムから
必要な物質の供給を受けて
それぞれの役割を演じ続けている


細胞を構成する
ミトコンドリアや小胞体も
細胞全体のシステムから
必要な物質の供給を受けて
それぞれの役割を演じている


細胞内小器官を構成する分子も
それぞれに必要は物質の供給を受け
それぞれの物質の役割を果たしている


システム全体がが
実験室の良く管理された試験官の中のような
それぞれに必要な環境を提供し
それぞれが予定された機能を発揮して
他の存在のために必要な環境を整備している


このように
さまざまな部分が織りなす円環的な環境整備により
DNAも
細胞も
身体も維持されており
円環的依存関係が破綻すると
それぞれに必要な環境が破壊され
連鎖的に
あらゆる能動的反応が停止し
命は死に至る


このような円環的環境整備が効率的に実践しえるように
整備されるべき内部と
野放図な外部が区切られている


この区切りの内部で全体と概念が成立している


内部と外部の境界は
環境整備の防衛線であり
全体の境界だ


この全体が
外部環境から
内部環境へと必要な物質を選び取り
不要で有害な物質を排斥する


全体という観念は
細胞全体であったり
身体全体であったり
社会全体であったり
宇宙全体であったりする


生命は
それぞれの全体が
それぞれの外部環境の中で
それぞれの内部環境を保全する能力が試されている


自然が生命を試しているのではない
生命が自身を試し続けているのだ


自然は生命を守ろうとはしないし
生命を排除しようともしない
ただあるがままにある


生命が周辺に挑み続けている
それが進化の原動力だ


生命は
自然が恵みをもたらしくれるのではない
恵みに寄生しているのだ


この寄生を円環的に管理しようとする試みの中で
自然への感謝が生まれ
自然との共生の思想が生まれ
自然を支配する思想が発展する


人間は
環境整備に長けた生命だ


様々な技術を発展させて
次第に自然を支配し
自然を社会システム取り込んできた


人間の動物としての自然さえも
社会システムの中で制御しながら
社会が発展した


ないがしろになった
人間の外側の自然も内側の自然も
社会が推進する抑圧と加護の中で
自律的に自身を保持する能力を次第に失い
社会の加護になかで
はじめて自身を保持するようになる


細胞が群れて大きな命となるように
人が群れて大きな命のようになる


単に群れているのではない
統制されて大きな命を形成するのだ


時代時代で
興奮して熱くなりながら
あるいは
凛とした静けさを味わいながら
統制された大きな命が
次の時代へと承継されてゆく

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