ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

能動的反応:情報統一と多様性


ひいきのスポーツチームが負けたりすると
スポーツ新聞を見たくなくなる


勝った時には
隅から隅まで飽きることなく見ることもできるのに
負ければ
見出しさえも見たくなくなる


このように
自分にとって面白くない情報は
ないがしろにするものだ


ないがしろにされ
反応されない情報は消えてなくなる


こうして
無視された情報が破棄され
都合の良い情報ばかりが蓄積してゆくので
記録として残されてゆく情報というものは
一般的に
情報源の実体とは異なるものになってゆく傾向がある


そんな中で
名作といわれる物語は
その素晴らしさから
ないがしろにされることなく
後世へと
同じ物語を保持しながら
同一性を保ちながら存続し続けている


情報の生存には
その情報への好意的な反応が不可欠だ


ひいきのチームが好きであればあるほど
チームを好きになれるような情報をたくさん集めて
もっともっと好きになる


このような正のスパイラルのなかで
ひいきチームの好意的な情報と
ひいきチームに対する好意的な反応が
共進化しながら
情報も
反応も
ますます隆盛を極めてゆく


その反面
ちょっと嫌いになりだすと
負のスパイラルに陥り
チームの嫌悪的な情報が増加し
チームに対する憎悪的な反応が増加してしまうこともある


そんなこんなで
情報と
それに対する反応が
どちらの方向へスパイラルしてゆくのかで
未来は
曖昧に複雑な予測不可能な方向へとするんで行く


反応に応じて変化してゆく世界は
時々刻々変幻する反応に振り回されながら変遷してゆくということだ


ある情報に対する
反応が統一されれば
統一された世界が世界が成立し
少しは安定した未来を望めるのだろうけれど
反応に多様性があれば
多様な世界が混在し
世界の状況は混沌としながら未来へ流れてゆくことになる


ところで
人間の感覚は
ある程度統一されているので
この範囲で
人間は同じ世界を共有し
同じ未来を夢見ることができる


しかしながら
統一されていないところがあるので
多様な情報が混在し
必ずしも同じ未来を夢見ることはできず
未来予想は混沌としてしまう


どうしても人間の感覚に不統一なところがあるので
法律なんかで
無理やり画一的に統一すれば
交通ルールがそうであるように
統一による利便性が向上する一方
緊急事態で急いでいるにも関わらず
赤信号で停車してイライラしなければならないといったような
感覚的に受け入れがたい世界もまた
立ち現れるてしまうことになる


法律で人間を画一的に統制しなくてもすむように
人間としての個人の価値観が
人間を形成する細胞の価値観のように
もっともっと統一されれば
人間の社会も
もっともっと安定したものになるに違いないのだが
人間同士
細胞同士のような強固な連帯関係を結ぶのは
今の人間の性能を考えると
叶えがたい理想であろう


感情の
行き違いがある中で
法律を工夫しながら
ごまかしごまかし進むより仕方がなかろう


このような視点からすれば
柔らかな感情と
緩い法律がありがたい


法律も感情も
好きなチームも嫌いなチームも
生かさず殺さず
みんな「ある」のまま
ごまかしごまかし進むのがありがたい

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