地層には
地球の歴史が刻まれている

この刻みを紐解くことにより
地球の歴史をうかがい知ることができ
その地層の中から見つかる生命の化石からは
生命の発明の歴史をうかがい知ることができる

人間が今生きているためには
まず
酸素と栄養を吸収して
細胞が分裂して増殖する技術が不可欠だった

３５億年以上前に生まれた細胞が
光合成を行い
地上の大気中の酸素濃度を上昇させきた
そして
１５億年くらい前になって
酸素を使った代謝をする生命が現れたという

１０億年位前までには
細胞が互いに連携する技術が熟成し
多細胞生物として活動する生命が現れ
５から６億年前ともなれば
動く生き物を捕えたり
外敵から身を守ったりするために
複雑かつ敏速な動きができるようになっていた

このような活動が可能になったのは
多細胞体の外部から酸素や栄養を取り込み
それを体の隅々までいきわたらせるシステムが発明されたからであり
細胞が吐き出す不要なとなった老廃物を
体外に排出するシステムも発明されていたからである
また
多細胞体の外部で起きていることを知覚し
その起きていることに応じて
多細胞体を動かすシステムも発明されてきていた

生命は
無名の発明家の知恵を利用して
それを後世に伝えながら生き延びている

赤血球が発明されなかったら
生命の歴史は今とはまた違ったものになったのだろう

私は今
４０億年以上かけて発明されてきた生命の技術に
ただ乗りしながら生きている

それだけには飽き足らず
人間が発明した素晴らしい技術にも
ただ乗りしながら生きている

火や言葉の活用や
土や金属の使用からはじまって
電気やさまざまな燃焼機関や電子部品の恩恵にすがりながら
生きている

持っている技術に応じた生活があり
その生活の中で
また新しい技術を試しながら
これからも
生命の歴史は進んでゆくのでしょう

生命活動は技術の塊だ

道徳や法律や正義も
生きるための技術なのだろう