ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

能動的反応:誘導と忖度


受精した卵が
細胞分裂を繰り返し
内側に神経ができてきて
外側に皮膚ができてくる


この内側の神経が
外側の皮膚を刺激して
手や足や指
それに目や鼻が誘導される


何の特徴もない皮膚の裏側に
神経が伸びてきて
コチョコチョとくすぐると
皮膚がくすぐったくて
ウネウネ動いているうちに
いつの間にか
手や足になってゆくのだから
生き物には不思議な反応に満ちている


豚もおだてりゃ木に登るように
皮膚も
「あなたは選ばれた皮膚である
 素晴らしい網膜になり水晶体になれる」などと
おだてられ
将来、目を構成する運命を歩み始めるのだろう


無論
細胞たちは
人間の話す言葉ではなくて
細胞たちの間でしか通じない言葉で
会話をしている


イントラネットだ


意識で感知できるイントラネットではないイントラネットが
細胞の間にはあるらしく
それぞれの役割分担を話し合っているから
身体の均衡がとれているし
身体機能が上手くかみ合い
生きていられる


細菌やウイルスは
このような細胞間のイントラネットの部外者だ


イントラネットの中にある細胞は
周りに忖度し予定調和を乱さないのだけれど
イントラネットの外にある細菌やウイルスは無法者で
周りに忖度せずに自由勝手気ままに振舞うので
イントラネットで秩序付けられている予定調和を乱してしまう


イントラネットの中の予定調和を乱すものは悪者だ


手なずけられない存在は
イントラネットから排除しなければ
イントラネットの平和を保てないから
排除することになる


排除とまではいかなくても
いことを聞かない細胞もあり
細胞の世界でも
口喧嘩しながら
様々な調整がなされているのだろう


それが収まらなければ
戦争もしたりするのだろう


破壊的な戦争が勃発すれば
イントラネットも破壊され
生命も潰える


だから
トムとジェリーのように
仲良く喧嘩しているくらいでないと
イントラネットを保持できず
助け合いもできない


子供のころ親によく
「言うことを聞きなさい」と怒られた


たぶん
親に反抗してはいけいのだろう・・・けれど・・・
この掟は
それほど強固なものではないらしく
反抗しても大きく罰せられることもない


押し入れに閉じ込められたり
おしりをたたかれるくらいのものだった


太いつながりの上であっても
些細なことで
小さく喧嘩をするようにできている


それが通常なのだろう


未来をみんなで誘導しあうように
小さく喧嘩しながら調整しているのだ


イントラネットの中で
仲良く喧嘩をする


これが生命のしなやかさの源泉なのだろう

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