お金よりも大切なものがある

だからと言って
お金に惑わされずに生きてゆけないのが通常だ

お金が欲しいから
一生懸命働く

逆に
お金が欲しくなくなれば
きっと働かない

そうなれば
お金で人を操っている
お金持ちの人たちは
「こんなはずじゃない」と嘆くだろう

でもそんな風にはきっとならない

お金があればあるほど
お金のありがたさがわかり
もっとお金が欲しくなりお金を貯めたくなるし
お金が無ければ無いで
お金が必要で
少しのお金でも奪い合う

言葉もお金と同じで
じょうずな言葉を操ると
他人が言うことを聞いてくれるから重宝だ

だから
上手な言葉を欲しくなる

言葉がじょうずになればなるほど
もっとじょうずになって
他人にもっと言うことを聞いてほしくなり
へたでも
へたなりに
自分の言葉が他人に聞き入れられれば
うれしくなる

お金より
言葉よりも
もっともっと大切なものがたくさんある
・・・のだけれど・・・
人間様は
どうしたって
お金や言葉を重んじるようにできている

それは
人間様は高尚な生き物で
野蛮な動物たちとは違うからだ

動物は
あるがままの自然と対峙しながら生きるのだけれど
人間様は
そんな野蛮なことをせず
加工され整備された自然と交わる

そのために
高尚な人間様は
お金と言葉を重ね
人々を束ね
日々、野蛮な自然に立ち向かわせて
野放図な自然を飼いならしてきた

動物園は
そんな飼いならされた自然の巣窟だ

檻の中の
パンダやコアラは幸いだ

お金も言葉も操らずに
野蛮な自然から
人間様が守ってくれている

わたしも
愛らしい猫になって
ペットなれたら
お金や言葉が要らなくなって
のんびりと
高尚に暮らしてゆるのだろうに、、、

そのためには
お金が必要だ
言葉も必要だ

安全な場所にいたいのだから
お金を欲しがり
言葉を操るより道はないだろう

お金と言葉で敷き詰めた道を歩きながら
しだいに
何か大切なものから遠ざかってゆくのだろう
そして
お金や言葉に染まり薄汚れ
もっともっと高尚な生き物へと
生まれ変わってゆくのだろう

野蛮ではいられない
・・・こう思う気持ちが
　　　なぜに湧き上がってくるのだろう？

憧れは
何処へ逃げてゆくのだろう？