ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

恒常的状態:夢と心


雨が降っている
あいにくの天気です


出かけることなく自室で過ごす
風も激しくなってきた


穏やかな晴れの日ならば
私は自由に出かけていたのだろう


天候が私の自由の邪魔をする



天候に囲まれて日々を過ごすように
時代に囲われて人生を全うする


時代の言葉が
私を包む


包みこまれて
身動きが制限された私が
その包みの中で
風雨を凌いでいる



あの山の向こうには
きっと
知らない世界が広がっている


そこには
ここにはない自由と
ここにはない制限がうごめいているのだろう



知らない言葉に囲まれ
不安に苛まれ
その言葉を覚えたいと願う


その言葉を覚えて
その言葉に包まれて
布団の中で眠るように
その言葉の中で心を瞑る



自然には掟がある


言葉がない時代から
掟があった


雨が降っていれば濡れてしまい
風に吹かれれば揺れ動く


そんな掟に寄り添うように
感情が流れてゆく


雨が降れば
外にでたくない


そして
「つまらない」と不満を感じる


そんな感情に
言葉が寄り添う


言葉は寄り添いながら
心を包み
やがて言葉が心を支配する



子供のころ夢見た大人の世界が
私を包み込み
私を支配している


夢を見て
夢に憧れ
夢に生き
その夢に心を満たしながら
別の心を追い出している



様々なしがらみが
様々なやり様で
私を囲み込み
私を包み
私を守ってくれている


守ってもらいたい私は
守られて喜んで
抱きこまれ
まどろみの中で
居眠りをしながら生きている


まだ夢を見ているようだ

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