ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

恒常的状態:魅力、未熟、成熟


蒸気機関車は生き物の様だ
、と言われることがある


理由はいろいろあるのだろうけれど
大きな理由に
機械なのに
機嫌がいい時と
機嫌が悪い時があることが挙げられる


同じ操作をすれば
同じように動くのが機械なのだけれど
蒸気機関車は
同じように操作しているつもりでも
思うように反応してくれないので
機嫌がいい
、と思ったり
機嫌が悪い
、と思ったりするとのことだ


このような機関車とは裏腹に
あの人は機械の様だ
、と言われる人がいる


気分にむらがなく
やるべきことを
そつなく
いつもきちんとこなしてゆく人のことだ


冗談にも何一つ表情を緩めることもなければ
申し分のないくらいに機械に見えてくる


時代が進み
アンドロイドの方が
そつなく表情を変えられるようになってきているのかもしれない


そう思うと
一定の表情を維持できない未熟さが人間らしさ
、とも思えてくる


未熟さにかわいさを感じなくなれば
周りの人間を育てる気風がなくなってしまうからなのだろうか
人間は一般的に
未熟さに魅力を感じるようにできているようだ


次世代が育たなければ
人類はただ老いてゆく


蒸気機関車の機嫌に一喜一憂しながら
人類は機関車を進化させてきた


成熟し終えた完璧な存在は
とても便利なのだけれど
未熟なところがなく
育ててゆく魅力には欠けてしまう


人類は
未熟を探し続けて
それに魅せられ続けてゆくから
今、繁栄できたいるのだろう


私も
私の周囲の人々や私自身の未熟を探し
それを愛でなくてはならないだろう


そしてその中で
何よりも
私も
未熟であり続けたい

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