恒常的状態:覇権の神様
自然には
平等意識が欠落している
だから
絶滅してしまう生物種が後を絶たない
うまく立ち回らない責任が
絶滅と云う訳だ
古生代カンブリア紀に覇権をとったアノマロカリスも
その後に現れた生き物に覇権を奪われ
衰退し
絶滅した
生物界にとって
現状を維持するということは
進化の芽を摘むことでもある
神様がいて
今の生物界の現状を維持しているのならば
神様は出る杭をさがしては
それを打ち込み続けているのだろう
*
覇権を維持することは容易なことではない
あらゆる努力を払っても
いずれ
覇権を奪われることになると歴史が教えてくれている
意識は身体を支配している
だから
意識は
身体に対して覇権を握っている気になっているけれど
病気になれば
すぐにその覇権を手放すことになる
*
畑一面にキャベツが育っている
この畑の覇権はキャベツが握っているようだ
でも
人間が手を休めれば
キャベツの覇権は
雑草と呼ばれる草たちに奪われてゆくのだろう
この畑のキャベツたちにとって
人間は神様のような存在だ
神の子であるキャベツは
「私はキャベツであり雑草ではありません」
そう叫び続けなければ
神様から出る杭として叩かれ
畑から追い出されてしまう
キャベツの覇権は
このようにして守られているのだろう
*
「私はいい子です
悪い子ではありません」
言葉にならずとも
そう叫び合いながら
集団が生き永らえ続けているようだ
そんな風にして
平等を求めあいながら
覇権を維持し合っているようだ
集団で
自然と対峙してゆくのだ