そこに行けば
何があるかを知っているということは
その何かが必要な時に
そこに行くという行動を誘導する

そして
そこに行き
その何かを手にすれば
「知は役に立つ」という結果論が生まれる

知は
このように
より効率的な行動を誘引して
その行動の結果として
その知の有用性を向上させてゆく

言葉が通じ
会話ができるということも
ひとつの結果であり
この結果の有用性が高いと
その言葉を学習する意義を見出せるということになる

会話ということではなくても
言葉により誘引された行動が
良い結果を導いた場合には
言葉は
「素晴らしい知をもたらす素晴らしいもの」
という勲章を授かり
言葉が重用されることになる

こうした背景から
良い結果をもたらす行動を誘引する言葉が
人気を博し
より多くの人に伝播することになる

より多くの人に伝播すればするほど
こららの人々は
その言葉の影響の下
同一の行動をとるようになる

言葉が同一化をもたらしているように見えても
実は
その言葉が巻き起こす行動の効果が
同一をもたらしているということは
よくあることだ

言葉の魅力は
言葉そのものだけで判断できないところがある

パブロフの犬の
餌がもらえるブザー音のように
実のない言葉の裏に
報酬が紐づけされていてこそ
言葉は輝き続けることができるのだろう