ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

現象環境:選択的開放系の異質化


私は
私の内部に
私の感情のレパートリーを
多彩に用意された状態で生まれてきた


その多彩なレパートリーの中から
感情を選び取り
私は
泣いたり
笑ったり
不機嫌になったりしている


このように
感情という現象を
選び取り実践している場所が
私の意識であろう


私の意識は
内部に用意されている現象を選び取るばかりではなく
外部から入り込む現象も選び取っているらしい


同じ音でも
言葉に聞こえる音や
美しい楽器の音色には
耳を傾けるのだけれど
雑音や
言葉にならない声に対しは
言葉や音楽を聴くような理性的な耳を傾けない


この延長として
心地よい言説には耳を傾け
都合の悪い言説に対しては耳を塞ぐようになる


養老先生の言う「バカの壁」の創造だ


意識は閉鎖的な場所ではなく
かといって全くもって開放的ではない


選択的に開放的な場所だ


様々なレパートリーのなかから
選択したものを意識が展開させ記憶している


中学の同級生と
こんなことがあった
あんなことがあったと話が盛り上がることがある


みんなが経験しているはずのことなのだけれど
不思議なことに
人により覚えていることが違うから面白い


聞けば思い出すこともあれば
全く思い出せないこともある


あるものをすべて受け入れているのではない


必要に応じて
外から内部に招き入れ
現象を持続させている


細胞はそうして現象を継承し続けてきた


全てが必要なのではない


そこに選択があり
異質の源になっている


全てに開放するのではなく
開放すべき対象を選り好みするのが
生命の大きな特徴だ

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