ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

循環と遷移:媒体としての意識


意識は
意識という存在と
意識の向かう対象という存在の
二つの存在がある


これは
本の活字
映画のフィルムや
コンピューターのメモリーなどにも共通する
媒体が持つ特質だ


フォーマットしたメモリーには
個性はないけれど
そこに様々な記録が書き込まれると
メモリーに個性が生まれる


人間の意識にも
様々な記録が書き込まれ
母国語や
民族意識などなど
様々な組成が生まれてくる


信念や
正義も
そんな個性なのだろう


媒体の個性だ


媒体の対象の本体は
媒体の外にある


母国語も
民族も
信念も
正義も
媒体の外になる


媒体として
記憶を買いためる意識のほかに
そんな外にある主体を眺めながら
感慨にふける意識がある


外にある様々な主体に振り回され疲れた時
目を閉じて
感慨にふける意識とだけ向き合いたくなる


ぬるいお風呂につかり
振り回す外にあるものから逃れて
独り静かにぼんやりと過ごし
心の疲れをいやしたくなる


そんな意識を
媒体としての意識が振り回している


振り回され
したくもない争いに巻き込まれ
泣いてみたりする


振り回され
興奮したり
笑い転げてみたりする


忘れてゆく記録
忘れられない記憶
突如として思い出す記憶


様々な記憶を
牛の胃袋のように
反芻しながら咀嚼して消化をして
何かを吸収しているようだ


この吸収された存在が
また
意識の個性を変えながら
意識を遷移させ続けてゆくのだろう

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