ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

触媒と必然:多元世界の触れ合い


言葉の発音とその意味が結びついているのは
人間の意識だ


その人間の意識がなければ
発音とその意味は結び付かない


この結びつきを背景として
会話が成立している


話者は
伝えようとする意味が
言葉として発し
聴者は
聞こえてきた発音から
伝えようとされた意味を逆算する


このようにして
話者と聴者の間で
同じ意味を共有する


このような関係は
例えば宇宙空間のように
発音した音が届かなければ成立しないし
例えば異なる言語しか習得していない者の間の会話など
発音と意味の関係が崩壊していても成立しない


会話者の間に共通の意味が実存するためには
少なくとも
音世界の介在
言語世界の介在が必要であるということだ


様々な世界が
介在し
触媒し合い
因果律が必然性を以って成立していることを条件として
会話者の間に共通の意味が実存している


特定の意味が特定の発音を導き
特定の発音が特定の意味を導く


この双方向の現象が起こる背景に
どれだけの世界が関与し
どれだけの触媒作用が働いているだろう


迷いのある触れ合いではない
必然のある触れ合いの中で
世界が秩序だって成立している


だから
普段では接することのない現象に曝され
触媒により維持されている必然が崩壊すると
世界の秩序は崩壊する


いつも通りの相互作用のなかで
実存が維持されている


水素の原子核と
水素の電子のあいだにも
いつも通りの相互作用があり
水素原子が実存している


時間が経過しても不変である物質としての性質は
水素原子にもないらしい


核も電子も動き回っている
それに
ブラックホールのような重力が著しく高い場所では
地球上の水素のような構造は維持できないらしい


安定した動きに秩序があり
その中で実存や実在が維持されいる


必然は
水と油のような受動的な現象でもあり
言語維持のような能動的な現象でもある


様々な条件が整って
必然が維持されている


そのものだけでは実在も実存も維持できない


例えば
発音から意味へ
この動きの中で世界が維持されているとするならば
発音そのもののみで
発音を維持することはできない


様々な条件がシステマチックに維持され
秩序が維持され
実在や実存が観察できる状況を作り出している


このような多元世界の相互作用の中で
一元論を語ることは
無の世界を語ることになるのだろう


無は
無そのもののみで
無であり続けることもできるのだろう
ただ
その世界に言葉は存在し得ないものになる

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