ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

触媒と必然:「報われる」への志向性


「お母さんが妹を産んだ」
という文章には違和感はないけれど
「お父さんが妹を産んだ」
という文章には違和感を感じる


男は出産しないという常識が
文章に違和感をもたらすのだ


実際には
お母さんが出産していない場合や
お母さんが出産氏と赤ちゃんが弟の場合
「お母さんが妹を産んだ」という文章は
「お父さんが妹を産んだ」という文章と同様に
虚偽であることには違いない
しかし
本当かもしれないと思わせる力が備わっているのは
女は出産するという常識があるからだろう


男は出産しない
女は出産する


この生物学的事実が
言語世界の実存として
文章に制約を与えている


そして
この言語世界の実存が
現実世界で
女性に子を産むよう導く触媒として機能している


男はかくあるべきだ
女はかくあるべきだ


このような情報的実存は
それぞれの性に
実体的な特徴を誘導し
時に強要したりする


その重圧に耐えきれないこともあり
その重圧を乗り越え
より男らしく
より女らしくふるまうこともある


どの様に言葉と触れ合うのか
誘導を拒否するのか
誘導を受け入れるのか
人さまざまだ


そして
人さまざまに
その報いを享受している


報いられる努力もあれば
報いられない努力もあるけれど
人それぞれに
報いられるよう努力を重ねる


男らしくあろうとすることも
女らしくすることも
そんなしがらみを拒絶することも
それぞれの努力である


言葉が努力を誘導し
その努力の結果として報いがあり
その報いが
言葉により大きな意味を付加してゆく


この努力という実体と
言葉という情報的実存が
「報われる」という触媒の中で
実体が言葉を強固にし
言葉が実体を強固にする
秩序の循環が生まれている


「報われる」


これは実体世界単独でも
意識世界単独でも成立しない現象だ


様々な日常が
「報われる」ことを目標に繰り広げられている


ひいきチームの応援も
「報われる」ことを目指して行われる


「ひいきチームは強い」
この恣意的な言葉は
チームの勝利により報われるのだ


単純に利他的に応援しているのではない
「報われる」利己性があってこその応援だ


願望をまとう言葉の実現はある種の報いだ


他力であろうが
自力であろうが
この「報われる」ことが
意識の触媒能力の性能向上に結び付く


予見する能力の向上だ


様々な現象を予見したり希望したりして
その言語的実存を
蓋然性から必然性への昇華させる


この様な能力の向上が
「報われる」局面から増大してくるのだ


人間の意識には
こうした能力に飢えていることろがある


何か報われることを求めて
今日もまた
努力が報いられますように

祈りを捧げ
世間に飛び出し
失敗の中から成功を拾い出す

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