ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

現象と構造:構造内の抑圧と連帯


私にとって
言葉は借り物だ


同じ言葉を借りていると
その人の間で
その言葉で通じ合い
意思疎通できるようになっている


同じ言葉を借りることが大事で
この人間観の連帯は
その言葉の貸出元ということになる


言葉の貸出先はそれぞれの「人間」なのだが
では言葉の貸出元も「人間」だろうか?


言葉は
親や周りの人から習うので
貸出元も
やはり「人間」ということにもなりそうだ


しかし
「人間の共同体」と言った方がより正確になるのではないだろうか


私自身も
子供に言葉を教えたりしたこともあるのだから
貸出元の一つではあるが
私一人では
非常に広範囲に及ぶ言葉の貸し出し先を
とてもとても網羅できない


どんな人間でも
言葉の貸出元を自認できる人はいない


やはり
言葉の貸出元は
「人間」という動物的な存在ではなく
より抽象的な
「人間の共同体」という
目に見えているようで
目には見えていないような存在ということになる


「人間の共同体」は
動物としての「人間」がいなければ
存在しないが
「人間」が存在するだけでは
存在しない


「人間」が集合しただけでも駄目である


「人間」の間に連帯がなければ
「人間の共同体」は成立しえない


この連帯を
成立させ維持するために
言葉が機能している


言うなれば
言葉の貸出元は
言葉を貸出
自らを維持しているということだ


自己組織化である


言葉が自己組織化してできている構造が
言葉の貸出元としての「人間の共同体」であり
その構造を維持している現象として
「人間」の言語活動があるということだ
そして
「人間」が言語活動をすることで
言語が自己組織化して「人間の共同体」が
維持されている


このように
言語共同体と
言語活動は
共進化の関係にあり
イソギンチャクと
クマノミの関係のように
より複雑な連帯関係を
進化させてきたのだろう


言語活動は
言語共同体により淘汰選択され
言語共同体は
言語活動する人間により淘汰選択され
より洗練されより多様化してきた
ということだ


構造内共進化
構造内自己組織化


構造内で
自分を自分で改良してゆくのだ


増築を改修を繰り返し
堅牢な建物が維持されてゆくように
構造の内部で
共進化がおこり
自己組織化が進むのだ


新たな連帯の創成
既存連帯の洗練や複雑化と先鋭が進み
より複雑で多様な組織が成立する


先鋭化して
自由は無くなり
組織維持を阻害する要因には
容赦なく排除圧が働くようになる


言葉の誤用により
叱られるのは
この排除圧の働きだ


漢字テストで
バツをつけられるのも
この排除圧だ


それだから
「共同体」のなかで
さまざまな「べきである」が横行し
それを構成する現象たる人間を抑圧する


この抑圧に「人間」は
自由を主張して移行したりするのだけれど
この抑圧を維持しなければ
「共同体」の体がなくなるのだから
「共同体」も「人間」の抑圧に必死である


結果として
人間は
イソギンチャクから離れないクマノミのように
「共同体」の中に
隠れたり
時に
そこから離れ
また
そこに舞い戻るのだ

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