四葉のクローバーは人間の性を知っているのか?
草むらの中から
私に見つけて欲しかった風情で
四葉のクローバーが
小さな葉を広げていた
幸せな気分になれる
朝、一番電車に乗ったとき
車窓から富士山が美しく朝日に輝いていた
隣に座っていた見知らぬおじいさんが
「今日はいいことあるぞ」
「あの富士山をよく見ておけ」
そう声をかけてくれた
幸せな気分になれる
それが
おじいさんの言うところの
「いいこと」のひとつだろう
何時も「いいこと」ばかりに囲まれていると
それはそれでありがたいのだけれど
「いいこと」が色あせてしまう
たまに見かける
四葉のクローバー
たまに乗る一番電車と美しい景色
たまたまがもたらす
小さな幸せが
とても大事だ
色あせてしまった「いいこと」を
見直してみる機会にもなる
失ってから気づく「いいこと」に
囲まれている幸せが平穏だ
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メモ
大貧民というトランプゲームは
実に奥深い
勝ち続ける宿命と
負け続ける宿命を背負いながら
その宿命を守る側と
覆す側とで戦いをするゲームだ
それぞれの宿命に
楽しみがあるから
ゲームとして成立している
勝ち続けるのが楽しいのはよくわかる
負ける宿命をも楽しめるから
人間は複雑だ
負けて当たり前
勝てば勲章
このような状況で
たまに勝てることがあるから
この時の嬉しさは
勝つ宿命の中で勝つ喜びとは
次元が違うほど大きなものだ
逆に
勝てるはずが勝てない悔しさも
次元が違う
たまにしかないことに
大きく心がうごかされる
このような人間の性を知ってか知らずか
四葉のクローバーが
平穏な三つ葉たちに交じって
ごくごくたまに葉を広げている
富士山のおじいさんは
何かを教えたくて
私に声をかけてくれたのだろうか?
ありがとうございます