ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

予定と実践:私の予定表に描かれたもの


「年を取りたくない」
そう
誰しも思ったことがあるだろう


なぜ年を取りたくないのだろうか?


年を取る前に
しておきたいことや
しなければならないことが
山積しているからだろうか?


だとすれば
その山積していることに
時を惜しまず
邁進すればよいのであろうが
ただ
何をするでもなく
ぼうとしながら漠然と
「年を取りたくない」と願ってしまう


だいたい
年を取るなんてことは
私が決めてから
私が
私の予定表に描いたことではない


私ではない何かが
年々身体は劣化し
年老いてゆくことを私の予定表に描いているだけで
私が決めたことではないのである


この何かに対して
なすすべがない私は
ただぼうとしながら漠然と
「年を取りたくない」と願っているのである


私の予定表は
私の理性の範囲外にもある


このことは確かなことらしい


その範囲外に在ることに
私の理性が反発し
「年を取りたくない」と駄々をこねるのである


私の理性の範囲外に在る予定表には
感情や本能も描かれている


私の感情や本能は
私に属するものには違いない
しかし
私の理性に属するものではない


そうしたものに
私の理性は
時に協力し
時に対峙しながら
私の予定表に色を付けている


慌て者の私は
まだ色が乾かないうちに
次の色を塗ってしまい
色が混じり
混ざり
汚れた色を付けてゆく


その汚れが
年を取った体を
よりみじめなものにしている気がする


それを感じた時
また
「年を取りたくない」と
私は思う


そして
私の理性の弱さを思う

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