予定と実践:霊は社会に宿り、魂は個体に宿る
蛍が
「 女 女 」と光を放ち
「 男 男 」と木霊が返す
*
異性が
互いに視線を交わし合い
すれ違うだけすれ違う
*
審美眼が
野菜を手に取り
じっと眺める
*
蝶が
チラチラ一頭飛んでいる
今度は二頭だ
*
選ばれた魂が
選ばれない魂を
横目で眺める
*
霊性が
定めた美に倣う
蛍の光
*
蝶が
糞尿を舐めている
私は遠慮しておこう
*
魂が
霊性を眺めている
忖度している
涙している
*
霊性の檻の中で
逃げられない魂が
もがいている
*
蛍の魂が
先祖の霊を背負い
瞬いている