予定と実践:内部は外部と外交しなけれなならない
その予定調和が成立している範囲を
内部と呼び
その外側を外部と呼ぶ
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その言葉が通じる範囲を
内部と呼び
その外側を外部と呼ぶ
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言葉は檻となり
心をその内部に閉じ込める
心がその外側に逃亡することを自由と呼ぶ
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原子核と調和して動く電子は
その原子の内部となり
その原子核と調和していない電子は
自由電子と呼ばれる
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血管の中を動き回る血液は
内部に在り
血管からにじみ出て固まったかさぶたは
もはや身体ではない
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内部から飛び出した自由は
調和の孤立である
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魅せられたる魂が
自由を捨て
檻の中に巻き込まれてゆく
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美しいものに力があり
ハーモニーに美を感じずにはいられない
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面白くもない調和から逃れた心は
再び別の調和を求めてさすらい始める
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彗星が
太陽に魅せられたように引き寄せられ
また
遠ざかってゆく
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台風の風にあおられ
瓦が舞っている
台風と調和した瓦である
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台風が過ぎ
穏やかな日差しに笑顔がこぼれる
暴風雨の不在との調和である
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不調和なるものを排除した内部で
予定調和の笑顔を交える