予定と実践:恩恵がもたらす支配の構図
私には
私の予定世界があり
かの人には
かの人の予定世界がある
この二つの予定世界が調和していると
私と
かの人の関係は良好であるが
この二つの予定世界に矛盾が生じ
どちらかが実践できるのならば
どちらかが実践できないということになると
どちらからが譲るか
あるいは
どちらかを屈服させるか
というような事態が顕れてくる
*
イヌは
美味しい食卓を前にしたまま
「待て」をすることが出来るのだけれど
ネコには
それが出来そうもない
イヌは
集団の順位制の中で
強いものに従う習性があるが
単独行動が多いネコには
このような習性がない
ネコが「待て」を出来ないのは
このような背景も原因となっている
*
上下関係が
複数の予定世界の間に調和が形成されていると
下のものが
上のものに「譲る」ことが常態として顕れる
そして
さまざまなこのような常態の蓄積が
秩序として定着している
秩序の恩恵が
「譲る」ことを上回ると
この秩序は維持されてゆくだろう
*
信号機が上に在り
運転者は下に在る
この上下関係において
交通秩序は維持されている
私は
AI時代の幕開けをまえに
電子機器に支配され始めている
この支配により
大きな恩恵を受けているのである
恩恵をもたらすものは
支配を可能にするらしい
*
AIは
大いなる恩恵を人類にもたらすと見込まれている
秩序維持の構図として
恩恵をもたらすものに対しては
敬服しなければならない