予定と実践:変わらないために変わるということ
現象には
持続性が高いものと
持続性が低いものがある
たとえば
台風は比較的持続性が高く
つむじ風は比較的低い
地球の公転は持続性が高く
持続性の低い惑星があったとしても
今となっては
もうどこかに消え去ってしまっている
自然選択は
持続性の高い現象の残存
自然淘汰は
持続性の引く現象の消滅という
自然の成り行きを言葉にしたものである
生命には
恒常性を能動的に維持する機能が備わっており
この能力が
試されている
生命は
恒常性維持という目的地に向かい
幾通りもの道が用意されており
状況に応じながら
出来合いの道を歩み続けているのである
人間も
血液の循環や
酸素や栄養の吸収
二酸化炭素や老廃物の排泄を通じて
身体の恒常性を維持している
そして
記憶と情報のやり取りを通じて
社会の恒常性を維持している
こうした恒常性を維持するための能力が
試されながら集積し
組織化してきた道が進化の過程である
同じことを繰り返すために
今までとは違う工夫を重ねてゆくのが
進化の過程ということでもある
ここに変わらないために変わるという
一見しただけでは
おかしなことをしていることになる
変わるのは尾ひれの部分であり
芯を形成する本体は
尾ひれの助けを借りながら
同じことを延々と繰り返してゆくのである
意識の活動は
ここでいう尾ひれとしての工夫である
失敗してもまたやり直せばよい
トカゲのしっぽの様な尾ひれなので
コロコロと変わりながら
変わらない何かを助け続けてゆくのである