予定と実践:遺伝子工学と核兵器
生命の実体世界を
突然変異が変えて来た
人間の思考や意向を無視して
突然変異は発生し
それが生命活動の実体を変えて来た
こうした突然変異に
人間の意向が反映できるような技術が生み出され
実践できるようになってきた
遺伝子工学である
この技術により
人間の思考が
突然変異という生命活動の上流域に
手を伸ばし始めたのである
人間の身体もまた生命である以上
こうした技術の下で
人間の思考の下流域に位置どらされる可能性が生まれてきた
より理想的な人間とはどのような人間かを考え
それを仮想世界から
実体世界へと反映できるようになりつつあるのである
支配的な人間はより支配的に
従順な人間はより従順に仕立ててゆくことも
可能になるのかもしれない
洗脳のように
言葉で人間を変えてゆくだけではなく
遺伝子を改変して
人間を変えてゆける可能性があるのである
それを実践するか否かは別にして
社会的区別を遺伝的に形成して
固定化してゆくことも可能になるのだろう
言葉を使い人間が社会を作るためにしてきた努力を
遺伝子工学をも応用して実践してゆくのである
天は
人の上に人を作らず
人の下に人を作らずというのだけれど
人は
天ではない
出来ることを何でもしたがるから
きっと核兵器もなくならないのだろう
人の上にいたい人が
消えてはまた現れるのである