ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

予定と実践:割れ鍋に綴じ蓋という協調関係


空気の中で
酸素分子や
二酸化炭素分子
窒素分子がぶつかり合っている


温度が高いと
このぶつかり合いの頻度も大会らしい


ところで
私の感覚では
温度を感じることはできるが
分子の衝突は認識できない



視覚障碍者は
光を見ることが出来ない


けれど
光の暖かさを感じることはできる


温度を感じられるけれど
分子の衝突を感知できないように
視覚だけでは
光の全てを把握できるようにはできてはいない



視神経に分布するロドプシンというたんぱく質は
光が当たると変形し
その変形が神経細胞の興奮を誘導する


このような機能を持つロドプシンは
光を知覚する機構の重要な一翼を担っている


光には
ロドプシンを変形させる性質があり
ロドプシンには
光が当たると変形する性質があるのである


光とロドプシンは
割れ鍋に綴じ蓋の関係にあるらしい


ところで
どちらが割れ豚で
どちらが綴じ蓋だろう


ロドプシンの遺伝子配列の異常により
光に反応して変形しないロドプシンしか生合成できないと
光を感知できないということになる


光が普遍であり
ロドプシンはその光に適応して
はじめて機能しているのである


光が破れ鍋であり
その破れ鍋にあうように
ロドプシンという綴じ蓋が工夫されているのである



生命は
綴じ蓋の工夫からできているらしい


ホルモンとそのレセプターの関係は
どちらも綴じ蓋であり破れ鍋と評価できよう


共進化は
綴じ蓋を工夫し合う破れ鍋同士の協調関係なのである



会話は
様々な個性的でいびつな音と
それを聞く耳から成り立っているところがある


異国の言葉は
壊れ切った鍋のように聞こえるけれど
耳慣れた言葉は
きちんと整った青磁の壺の様な美しさを感じる


この耳は
共進化してきた
光に変形するロドプシンの様な綴じ蓋なのである


温度を感じることはできるけれど
分子の衝突を知覚できない
相性の良い破れ鍋にしか反応できない綴じ蓋なのである

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