予定と実践:記憶に結びつかない言葉に真実はない
言葉は腐りはしないけれど
言葉は忘れ去られてしまうことがある
使われない言葉は消えてゆく
使われる言葉には
それぞれが真実を持ち
使われるたびに
その真実が伝えられてゆくのである
話者が伝えようとした真実が
聴者に正確に伝えられ
言葉は存続してゆくのである
こうした実態を鑑みると
言葉の内部には
真実はなく
使用者の記憶の中に
真実があり
それと言葉が結びついているようである
「悪」という言葉も
「善」という言葉も
その真実は
言葉を使う人の記憶の中に在る
「正義」という言葉に
さまざまな実践が結び付けられ
記憶されており
これらの記憶が
「正義」の言葉を聞くと
思い出されるのである
こうした様々な記憶の象徴として
言葉があり
真実がある
言葉は象徴としての殻なのである
その中身が象徴としての真実であり
個別具体的な記憶である
こうした構造の連帯の中で
言葉が存続している
こうした連帯の有用性は
こうした構造の維持の象徴である