予定と実践:定常の揺らぎについて
言葉が裏切らないものだとして
私に向かう言葉は
私の自由を奪い
私が心から発する言葉は
私に力を与える
ところが
多くの場合
現実には
私に向かう言葉を
私は聞き流し
私から発する言葉は
空回りしてゆく
オオカミは
狙ったウサギを
全て捕らえられるわけもなく
全く捕らえられないわけもない
そんな拮抗の中で
言葉も飛び交う
酵素も
一定の飽和常数をもって
化学反応を推し進め
全ての反応を
化学式の矢印の方向にもってゆくわけではない
失敗と成功を繰り返している中で
ある方向性をもって
流れているのである
このような緩やかな方向性の中で
同じことでも
悪になったり善になったりを繰り返す
そんな曖昧さに目くじらを立てる人もいれば
それをそんなものだろうと受け入れる人もいる
信念も
そんな緩やかな方向性なのだから
色々が複雑に混乱しながら
定常が緩やかに遷移する