ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

所属変われば品行変わる


冬になると寒いし
夏になると熱い
それぞれの季節に
それぞれの苦言を呈しながら
一年が過ぎてゆく


予定調和の中にある苦言は
穏やかだ


予定していないようなことが起こると
穏やかではいられないから
そんなことがないようにと
お祈りしたり
お願いしたりする
そんなお願いが通じずに
とても異常な状況が
毎年続くようになると
いつのまにか
その異常も恒例になって
穏やかな苦言でやり過ごせるようになる


予定調和の成立だ


このように
予定調和は
繰り返される異常の中で
馴れながら獲得してゆく機能である


生命はこのような機能の集積だ
皆それぞれに
異常な環境の中
うまくやり過ごしているから
頭が下がる


所変われば品変わる
品が変われば作法が変わる


多様化が次の多様化を産んでゆく
それぞれが競争しているのではなく
周囲と馴染もうと
懸命になった成果である


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メモ


秩序は自らを維持する宿命にある


秩序と秩序の不調和があると
各秩序が自らの維持に有利な調和を獲得してゆけると
存続しやすくなる


調和は
主体の予定調和機能の獲得によっても
客体の予定調和機能の獲得によっても成立する


道徳や倫理は
予定調和の互換を促す文言だ


正義という言葉も同じだ


予定調和を希求する人智の集積が
言葉として積みあげられ
社会の秩序が熟成されてきた


社会は調和を模索しているのだ
正義でも
公平でも
競争でもなく
ましてや
排除でもなく
まずは調和を模索しなければ
秩序を維持できないのだ


そんな秩序の中で
部品は
他の部品と依存しあい
調和しながら存続している
それがいやで
部品でなくなろうとするには
すべて自己完結しなければならないから
負担が非常に大きくなる


この負担を避けるため部品になりすます


所属するシステムの中で
荒ぶる自由の精神を抑えながら
自己をシステムへと
調和するように仕向ける努力を
日々
丁寧に
続けていかなければならないだろう

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