無礼講という自由が例示するように
自由には危険が付きまとう

前例の踏襲を重ねた
かび臭いマニュアルは
踏襲を重ねて改変を経るほどに
自由度が減退し安心感が増してくる

私は今
昔を繰り返すことで存在し
呼吸をしている

自然な流れの中で自由を捨て
あるべきように
人間を演じている
そして
その枠の中でちいさな自由を見つけては
それを眺め
憧れて
ときに
空の浮雲に乗ってみたいと
現実を離れて夢想してみたくなる

空は
自然に満ち
遺伝子や法律の規制が蔓延する大地から
すこし離れた場所にある
自由を象徴している存在だ

ーーーー
メモ

命にも
社会にも
前例を踏襲してきた岩盤のような大地がある

その大地と
自由な大空の間で
思考がうごめいているらしい

大地の情報は現実的なのだけれど
大空の情報は
海のものとも山のものとも分からない
やがて大地となり定着するものであるかもしれないし
いつまでも空をさすらう夢想かもしれない

地を眺め
空を仰ぎ
季節をやり過ごす

夜空を彩る星々も
昼を照らす太陽も
空ほどには自由ではないらしい

同じ軌道を描き
同じ季節に
同じように現れる

自由を捨て
忠実に前例を踏襲する
そんな
たいそう律儀な存在たちだ