見ざる聞かざる言わざる

社会は
様々な要因から成立しているが
すべてを見ることができない
すべてを聞くことも
すべてに対して発言することもできはしない

経済もあり
法律もあり
道徳もあり
軍事もあり
交易もある

ある分野に目や耳をつむり
口をつぐみたくなる時もある

そんな時
そこを突かれると
哀しくなる

場合によっては
腹立たしくなる

仕返しに
その相手が目や耳をつむって
口をつぐんでいることを
大声でどなってみたくなる

皆それぞれに
目を瞑り
耳をふさぎ
口をつぐんでいることがある

それが
それぞれの人の立ち位置だ

立場に応じて
不都合なことを
見ず
聞かず
話さず
やり過ごしている日常がある

お互いに
不都合にぶつからないように
棲み分けながら
暮らしている

相性が悪いもの同士は
離れながら
暮らしている
その結果
相性がそれほど悪くない人に
囲まれた日常がある

それでも
独りになりたい時がある

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メモ

独りになると
依存しているものから
引き離される

すると
強がって目を閉じていたひ弱さが見えてきて
哀れを感じ
再び
社会へ戻ってゆく

社会へ戻ると
再び
立ち位置を強要され
正義の声に耳をふさぎ
自らを歪め
敵を想定して戦ったりする

そんな戦いの中にあり
過ちを過ちと言えぬまま
過ちを上塗りし
不条理が拡大しさせる

独りへの
揺れ戻しが始まる

バイオリズム

昼と夜があるように
様々な葛藤が
解消されぬまま
現れては消え
消えてはまた現れる

矛盾は
解消するものでは無く
生命のリズムとあきらめた方がよいかもしれない

見たくないものがある
聞きたくないことがある
言いたくても言えないことがある
それを直さなければならないと
思う時があり
あえて忘れるときがある