ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

物語の正当性と覇権について


伝承された物語がある


その物語を聞きながら育ち
その物語の中から真理を学び取り
それを糧にしながら人生を演じてゆく


宗教戦争がそうであるように
戦争には
物語の正当性を争うところがある


だからなのだろうか
戦争の勝者が
物語を監修する権利を取得して
歴史を修正してゆく


この修正の過程で
勝者の善はより確かなものになり
敗者の善は(場合によって)悪になる


物語の正当性から導かれる結論として
善悪が修正されるのではない
武力の強弱が
善悪を修正してゆく


このことに
不条理を感じると
恨みが生じることになる


悪へと抑圧された善が
恨みを叫ぶのだ


この恨みが
表の物語と別に
裏の物語となり伝承されてゆく


物語の本来の正当性は
その伝承にある


表は表として
裏は裏として
正当な物語として伝承してゆく


腕力で負けたら
地下へもぐれり裏の物語で息づけばいい


蝉の幼虫のように地中で育ち
空を舞う日を迎える日を待ち望めば
物語は承継されてゆくのだ


物語は生物の種の遺伝子によく似ている


日影であろうと
日向であろうと
承継されてゆけば正当な物語である


覇権を取ろうが取ろまいが
承継されてゆけば種が維持される


どこかで生き続けゆく
どこであろうが生き続けてゆく
それが正当性を築いてゆく


善悪が正当性を築くのではない


善悪は
腕力を肯定する観念でもあるとする
考えに身をゆだねる時間も
乙なものである

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