無謀と勇気の競演を見守る「その他大勢」
無謀と勇気は
表裏の関係にある評価にまつわる言葉だ
評価は気楽だ
そして
万人に開かれている
挑戦を見守り見守った人に
評価する機会が開かれている
挑戦者自身も自己評価の渦の中にある
挑戦前に
無謀なのか
無謀でないのか
悩みながら挑戦の舞台に立つ
この悩みが深いほどに
挑戦の舞台に上がる勇気が試される
厳しい挑戦であればあるほど
挑戦者の中で
無謀と勇気が
混ざりあい
区別ができない程に一体化しながら
挑戦の舞台に立つことになるのだろう
無謀と勇気は紙一重というよりは
むしろ
一体化している
紙一重で分離してゆくのは
無責任な傍観者の仕業である
無謀と勇気を
気楽に裏と表に分離してしまう
*
結果は挑戦に区切りをつける
挑戦の数だけ区切りができる
小さな区切り
大きな区切り
区切りの連続の中で時が進む
どれほどの
無謀と勇気の競演を
楽しんでいるのだろう
愉しめているのだろう
*
無謀な挑戦を繰り返し
結果を残す人々に
称賛が惜しみなく贈られる
このようなシステムの中で
無謀を乗り越える努力が
希求され実践されている
無謀を超えてゆく意味は
超えた先に生まれてくる
どれほどの人が
それに群がるのか?
超えてから集う人々が
無謀を超えた意味を教えてくれる
勇気の原動力だ
それにしても
勇気を持たなくても暮らして行ける
そんな平穏がとてもうれしい
「その他大勢」の心地よさである
この「その他大勢」が
無謀と勇気の競演を引き出しているのだから
無謀と勇気の舞台の
必要不可欠な要素になっている
「その他大勢」が
英雄の源であり
幸の源なのである