言葉の死
死は
独立して存在していない
生きていたから生じる現象だ
だからだろう
死の意味を考える時
生きていた時との対比がなされる
言葉は
現象の一部を切り取り
それを
独立した存在として扱う
死は生から独立してはいない
一続きの現象にもかかわらず
生から分離して死を語ろうとするところが
言葉にはある
言葉が問いかけるものは
言葉の中にはなく
言葉の外にある
外へと連なっていない言葉は
何も意味を持たない
言葉の外へ思いをはせる働きがなければ
言葉は死に体となる
言葉の外との会話う失った言葉は
ミイラである
外に連なることがなくなった言葉は
魂の抜けた形骸だ
外へと向かわなくなった魂も
精神のミイラといえるのだろう