ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

新しい服を探す


いろいろな身分を
自我に着飾る


「男」や「女」
「子供」や「大人」
「既婚」や「未婚」
「部下」や「上司」
「公」や「私」


着飾っていることに慣れてしまった自我は
裸でいるのが恥ずかしい
だから
せっせと服を着る


裸の自我はなぜ恥ずかしい
身体も裸になると恥ずかしい


いつのまにやら
本当のことを隠しながら生きている
それが普通になっている


むしろ
本当のことが分からなくなってきた
裸の私が何者なのかわからない


本当の私は
きっと土の上
草の上に寝転んで土に紛れて空を眺める


言葉を雲に乗せ
風に乗せて追い払う


あの重そうな雲は
何の原理や主義だったろう


あの軽やかな雲は
何の感情だったのだろう


どうやらまた
言葉が戻ってきたらしい
自我が言葉を呼び寄せる


私は起き上がり
再び歩き出すのだろう
新しい服を着て
再び歩き出すのだろう

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