文字が存在していることと
その文字に意味が付着していることは
共役的な関係にある

物質的な文字と
非物質的な意味
このどちらかが欠けても
言語は成立しがたい

この奇跡の上に
思考が存在している

おかげさまで
この世をみながら
あの世の意味に思いをはせ
神様も
仏さまにも意味を見出す

山を眺め「美しい」と思い
心遣いを感じ「美しい」と思い
その美しさの源流に思いをはせることさえできる

言葉は思考として
独りで楽しむことができる

皆で楽しむこともできる

どちらの楽しみ方が
オリジナルで
どちらが派生物かということも
考えられる

答えのあることも
答えのないことも
わからないことも
考えられる

言葉を振り回すのではなく
振り回されるのでもなく
ちょうどいい具合に付き合いたい
そのちょうどよさも
言葉であれこれ考えられる

考えたものが器になって
その器の中に意味が収まる

あまり大きな器は維持が大変なのか
考えたものを端から忘れもする

言葉でできた器が
どこかにふわふわと浮かんでいる
萎んだり
膨れたりしながら
せわしくふわふわ浮いている

愛
正義
魂

漠然とした意味が
言葉の器の中で
揺れている