ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

自然と私と幻想と


自然というものは
どうにも融通の利かないもので
馬鹿正直で困るところがある


もっと
人間に
いや
もっと私にやさしくしてほしい


そんなことを自然に対してお願いしても
聞く耳を持たないらしく
相も変わらず
融通の利かない馬鹿正直でいる


自然は無慈悲だ


それでも
私はあきらめきれず
自然に対して幻想を抱きつづける


「ああなってくれるのではないか」
「そうなってくれなければ困る」


様々な幻想が
夢を紡ぎ
幻想の中で私は揺れる


「幻想を実現するのだ」
「何としても幻想を実現するのだ」
「馬鹿正直な自然に立ち向かうのだ」


こんな勇敢な言葉とともに
現実に立ち返り
私は努力を重ねる


はっきりと意識している努力ばかりではない
私の無意識の精神も
意識の届かない筋肉も内蔵も
崩壊に向かう自然に対峙して
努力を重ねている


私ばかりではない
道端のアリも同じだろう


敗れる時は何時だって
自然が優るからではない
敗れるものの力が足りないのだ


自分自身や
周りの人や
私やみんなが描く幻想に
寄り添う慈悲深さが足りないのだ


そうした力が全く無くなり
無慈悲ともなれば
ただ自然へと帰るのみということになる


最後は
自然を教科書としなければならない
そうせざるを得なくなるだろう

×

非ログインユーザーとして返信する