制約と自由:無意味な意味あるいは意味のある無意味
真夜中
私以外誰もいない
歩く人も
車を運転する人もいない
その中でも
信号機が働いている
赤信号で横断歩道を渡ろうが
誰も咎める人はいないだろう
こんな状況でも
赤信号に足を止めてしまう習性が
私には身についてしまっている
信号機が贈ってくる信号に抗えないのである
リモコンから発射される光に反応して
テレビのチャンネルが切り替わる様に
あの信号機の赤い光を視界にとらえ
私の行動は変容するのである
私の中に埋め込まれた if then 構文が
こんな真夜中でも働いてしまうのである
車一台通りはしない交差点を
ただ立ち尽くし
信号の色を変えるのを待っている
無意味な虚しさを噛み締める
しかし
この無意味な行為に
社会への忠誠という大いなる意味があるのである
こうした意味もないような意味を積み重ね
社会は整然と襟を正し待ち構えているのである