制約と自由:遺伝子重複の意義について
自分を変えようとしても
元の自分というものに強い引力があるらしく
変えたつもりでいても
いつの間にやら
また
元の自分に戻っていたりする
私も
色々自分を変えようとあれこれと試し
試行錯誤を繰り返してもいるのだけれど
元の自分の周りをぐるぐる回っているだけで
いつの間にか
また元の自分の軌道に戻っている
戻れないのは
年齢を重ねて固くなった体や
年々深くなってゆく肌のしわである
こうしたものは
記憶力や判断力の低下と同様に
年齢に伴う変化として
私の中に
生まれながらに刻まれている既定路線であるのだろうから
元の自分から離れて変化しているということではないのだろう
こうした既定路線で変わるのではなく
真に元の自分を変えるためには
もう一人自分を設けなければならないだろう
いつもの自分はいつもの自分として機能させておいて
もう一つの自分を育てる時間を設けるのである
そして
その自分を
いつもの自分に取り込まれないように
注意深く隔離しなければならないだろう
それは
遺伝子が重複し
それぞれの遺伝子が
それぞれ別の進化の道に入り
やがて別の機能を持つに至る過程と相同している
いつもとは違う環境に自分をあえて置き
その環境においては
いつもの自分を忘れ自分をもうてゆくように
重複して独立した遺伝子も
別の機能を持つ機会を伺っているのだろう
そこには
いつも通りの制約から離れた自由が在るのである
そして
その自由の中で
新しい制約を設けてゆく機会が得られるのである