感覚と未来:特異的刺激と無反応刺激と破壊的刺激
特異的な刺激に対して
特異的な反応を返す
このような刺激と反応の繰り返しにより
生命は循環しながらその生体を維持している
とある反応装置にとって
反応を惹起する特異的刺激もあれば
何の反応も惹起しない無反応刺激もあれば
反応装置を壊す破壊的刺激もある
酵素という反応装置にとって
基質は反応を惹起する特異的刺激であり
基質とならない他の有機化合物は無反応刺激であり
熱湯は破壊的刺激である
人間という反応装置にとって
強風は
その風を避けようとする反応を惹起する特異的刺激であり
ほんのかすかな微風は
何の反応も惹起しない無反応刺激であり
爆風は破壊的刺激である
生命は
都合の良い刺激を求め
都合の悪い刺激を避けることで
刺激と反応を繰り返し
存続している物質循環の淀みである
結果として
特異的刺激と
特異的反応が濃縮され
無反応刺激や
破壊的刺激は希薄になっている
感覚器は
このような物質循環の淀みの番人である
感覚器が衰え
破壊的刺激となる
腐ったものを食べたり
毒を食べたりして
物質循環の淀みの堤防が破壊されてしまえば
淀みは露と消えてしまうのである
淀みにつかまった木の葉が
本流に戻れずにそこにとどまっている
私を構成している物質も
広大な大地を千の風に乗り
自由に動き回る日を夢見ているのかもしれません
そんなことを思いながら
息を吐き
二酸化炭素を解放してあげてみた