定義と現実:散在している矛盾が巻き起こす現象たち
論理の世界で
矛盾は矛盾として存在するが
現実の世界では
矛盾が衝突のような現象として現れ
時と共に
徐々に
その矛盾が緩和して
緩やかなグラジュエーションとして
なだめられてゆく
高気圧と
低気圧は
同時に存在しない
矛盾した存在である
論理の世界では
同時に
同じ場所に
低気圧と
高気圧を生じさせることも可能だろうが
現実の世界では
高気圧と低気圧は
ある程度の距離を取り合いながら存在し
距離が近いと
気圧の差が激しくなり
荒れた天気になる
紛争状態は
このような
矛盾する定義が
隔離されず
近接することで生じる現象なのである
生き延びたいカエルと
捕食したいヘビの出会いは
ひとつの紛争状態である
カエルが捕食され
生き延びたいというカエルの定義が消えるという
紛争消滅もあれば
カエルとヘビの距離が遠くなり
紛争消滅ということもあるだろう
現実は
矛盾をはらむ定義が
散在している現状にあり
それぞれの矛盾が
距離を置くことで
暫定的な安定が維持されている
わたしは
わたしの本音を隠し生きているところがある
現実の中で
何かとの距離を置いている本音を
わたしは懸命に隠しているのである
たくさんの定義が生まれ
たくさんの定義が隠され
やがて消えてゆく
現実は
定義の
栄枯衰退の場ということなのだろう