存在と単位:作られたる必然の恩讐
肺の血管を流れる赤血球は
その内部に酸素を貯留する
当たり前のことではあるが
この必然性は
生命の進化の過程で創造され
承継されて来たものである
私も
こうした必然の中で
息を吸い
息を吐いている
目の前の景色を
目の前のものとして知覚することも
また
創られて
維持され
踏襲されて来た必然である
生命は
必然を求められ
それを実践しながら
永らえているのである
九九を覚えることも
漢字を覚え
書き順も
発音も
必然なるものとして
その踏襲を強要されて来た
生命は
必然を求められ
それを実践しながら
永らえているのである
法律も
道徳も
宗教も
神様も
創造された必然の恩讐の響きの中で
持続せられているのである
こうした
創造された必然の連なりが
時間の中で
連なり
ひとつの単位を形成して
共存しながら
未来に運ばれてゆく
外部からの幾多もの偶然をしのぎ
必然を維持しながら
ひとつの単位を維持してゆくのである
守らねば維持できぬ必然を
守り抜き
踏襲を繰り返すのである
科学技術は
いくつもの必然を維持しながら
文明社会に恩讐をもたらしている
そんな科学技術でも
赤血球を造り維持することはできないという
心臓や肝臓を創ることも
脳を造ることも
科学技術には到底できようはずはない
私の身体は
科学技術を超える必然により維持されている
理性はまだまだ生命を超えることはできないらしい
進化の歴史の中で
まだまだ青い新参者が理性ということなのだろう
新参者が
出来ることを
出来るに任せてやり過ぎて
自爆自縛の憂き目にあうことはしばしば見受けられることである
生命は
様々な偶然を
数を増やすことで
死をもって乗り越えて来た
失敗したら
またやり直せばいい
この創られたる必然の宿命を
理性は
やはり
失敗しながら乗り越えてゆくのだろう