刺激ー反応系

たとえば
フェロモンを知覚し
それに反応する昆虫たち

異性の婚姻色を知覚し
それに反応する脊椎動物たち

ホルモンを受容して
それに反応する細胞たち

予定調和として
創造された
刺激ー反応系の流れに乗って
生命が躍動する

酵素も
特定の物質に
特定の反応を導く
刺激ー反応系だ

エネルギーを消費しながら
既定路線の
刺激ー反応系が次から次へと連鎖してゆく

この連鎖を
因果律と知覚しながら
さまざまな
刺激ー反応系が
新たに創造され重層化して
より複雑な
刺激ー反応系が進化してシステムとなっている

科学は
刺激ー反応系を抽出し
それを再現してゆく力である

実際の物質として再現する
あるいは
記述として再現する

重層化し
ますます複雑化する構造の中で
無数の刺激ー反応系が駆動している
その駆動エネルギーを求めて
無数の刺激ー反応系が駆動している

充分なエネルギーを得て循環している刺激ー反応系が
自然淘汰を生き残る
文化淘汰を生き残る
経済淘汰を生き残る

立ち行かなくなる日が来るまで
刺激ー反応系が連鎖する

なぜか
眠くなり
なぜかまた
眠りから覚めてくる