制約と自由:時計職人が時計に吹き込む全体主義
能動的な動きを行う背景に
意思がある
となると
時計に意志があり
電池が切れたり
ゼンマイが伸び切ると
その意思が消えるということになる
このように考えた時の意思は
電池やゼンマイにあるかというと
時計から切り離された電池やゼンマイには
時計を動かすような意志があるとは到底考えられない
時計の歯車同士や針との接合もあって
時計を動かす意思を醸し出しているのである
時計職人の知恵と技術により
時計に意思が吹き込まれ
時計の能動的な動きが生まれているのである
意思は
特定の部分に宿るのではなく
時計全体に宿っている
神は
特定の部分ではなく
全体に存在しているようなものである
歯車が一つ外れただけで
時計は時計の動きを行うべく意思を喪失し
動かなくなる
歯車の一つがさび付いて
その動きが悪くなると
時計の意思は白濁し
正確な時間を刻めなくなる
制約された動きが
規定通りにまとまり
時計職人の意思が
時計の意思となり
時計の能動的な動きを維持しているのである