理性三態:理性が描く色もない形もない架空世界
目を閉じて
見えていたものを思い起こす
ぼんやりとした景色の印象を描けても
詳細は思い出させない
そこで
目を開ける
視覚は
どこまでも詳細に景色を描いてみせる
その景色を記憶にとどめ
もう一度目を閉じて
その景色を頭の中に描き直す
先ほどよりも
少しはましに目の前にあった景色を
目を閉じた暗闇の中に描き出す
真っ暗な暗闇の中に
見えていた景色を思い出す
さて
コンピューターのモニターの電源を切ると
さっきまで映っていた文字が消えてゆく
その文字は
再び電源を入れるとモニターに現れる
その間
コンピューターは同じ文字を描き続けていたはずである
コンピューターの中の文字は
目には見えない
しかし
存在していた
そんなモニターを消したコンピューターの中身のように
理性が描く景色は
真っ暗な暗闇の中で
目を閉じる前に見えていた景色を描き続けているのだろうか?
音も色も形もない架空世界の中で
理性は
見えていた色や音を思い出す